2015年4月12日日曜日

「伊藤真の法学入門 講義再現版」を読んだ その1

法律なんて全くわからないが、世の中で色々起きていることを自分で判断できないのもどうかなと思い法律に興味を持ってみた。
特に、具体的な法律の適用より、法そのものに興味があったので、まずはこの本から。

以下、考えたこと。

(1)この本の最初に書かれている法律と法則の違い。

物理学では、この世界を、それを再現する法則を見つけようとしている。そのために理想系を仮定し、その理想系で成立する法則を導き出す。
一方で法律では、(とある価値観において)理想とする社会を仮定して、それを再現する法律はどんなものかと考えて作られる。
この2つはアナロジーとしては似ている。
しかし、法律が仮定する「理想の社会」は個々人によって変わるため、正解はないという点が大きく異る。

物理学では、強引に言うと法則(仮定した理想系)が正しいかどうかは現実を再現できるかどうかということでそれが間違っていると言うことができる。妥当かどうか判断できる。理想系の中でいくら法則が正しかろうと、現実を再現できなければ、その法則は現実を再現するのには役に立たない。
でも法律はどうだろう。どの理想を採用するかが人によって異なり、妥当かどうかは客観的、普遍的には判断できない。従ってそこに対立が生まれる。
どの理想系を採用するか、物理学ではそれの客観的、普遍的判断基準として現実があるが、法律にはそれがない。
これが、法則と法律の違いなんだろう。

もちろん現実世界では異なる思想を持つ人がいるのだから、意見の対立が生じるのは当たり前だ。だから国会でも同じ問題について異なる法案を出して対応しようとしている。ということは理解していたつもりだった。しかし、それは、自然科学における法則レベルの対立だと思っていたが、
法律の対立というのは、
私がこれまで思っていたよりも、もう一段階深いところでの対立なんだなぁと改めて思う。


なお、最初は物理に限らず自然科学と書こうと思ったが、数学なんか現実とか関係ないよなと思ったので、物理に限定した。

法律には答えがないというわけではないし、実際にはこんなに極論じゃないだろうけど、なんか文にするとうまくまとまらないなぁ。

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